亀田の勝ち!文句なし!「140日戦争」判定決着…WBA世界ライトフライ級タイトル戦
亀田の勝ち!文句なし!「140日戦争」判定決着…WBA世界ライトフライ級タイトル戦
12月21日8時2分配信 スポーツ報知
◆プロボクシングWBA世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦 ○亀田興毅(12回 判定3-0)ファン・ランダエタ●(20日、東京・有明コロシアム) WBA世界ライトフライ級王者亀田興毅(20)=協栄=が、同級1位ファン・ランダエタ(28)=ベネズエラ=を、3-0の大差判定で退け、初防衛に成功した。足もつかった新スタイルで、最大11ポイントの差を付けて因縁の挑戦者を返り討ち。前回8月2日以来、浴び続けたバッシングの汚名を返上し、ランダエタとの“140日戦争”に終止符を打った。亀田は来年3月、東京・両国国技館で史上初の日本人統一王者を目指す。
興毅が、亀田家が、ベルトと誇りを守った。バッシングを浴びせた世間と、因縁のランダエタを吹き飛ばす完勝劇。「この4か月、死ぬ思いでやってきた。絶対、きっちり決着つけたかった」
絶対に負けられない重圧を背負って、リングに上がった。トレーナーの父・史郎さん(41)の顔を見ると涙があふれ出た。「常にオヤジがおれらの壁になってくれた」スコアは115-113、116-111、119-108。最終回のバッティングによる減点がなければ、米国人ジャッジは興毅にフルマークをつける圧勝だった。
開始のゴングと同時に、1万人観衆のド肝を抜いた。足を使い右ジャブを繰り出すアウトボクシング。8月2日のリングとはまるで別人に変身した。前回1ラウンドにダウンを奪った興毅の変貌ぶりに、ランダエタも顔色を変えた。「4か月分の思いを込めて打ち込んだ」中盤を過ぎるとほぼワンサイド。後半はラッシュだ。辰吉丈一郎のように腕をブン回す挑発パフォーマンスも飛び出し、12回の開始ゴング前には、勝利を確信するガッツポーズを作った。
左まぶた裂傷で10月18日予定の再戦が延期。大ピンチにあって、逆に好機に変えた。04年2月のタイ遠征でWBC世界フライ級王者ポンサクレックと行ったスタイルを思い出し、原点に回帰。2か月間、余裕ができたことで、ベタ足の亀田スタイルと融合させた。「亀田とKOはセット」のケンカ・スタイルを封印。「倒すボクシング」から、「勝つボクシング」にスタイルを変えた。「人生に重要な試合はある。とにかく勝つことが大事やった」ファンから背を向けられるのも覚悟の上で、決着戦に挑んだ。
適性階級を測る試合でもあった。来年3月にWBC同級王者オマール・ニーニョ(メキシコ)との、日本人としては史上初の2団体統一戦を計画している。前回失敗した計量翌日の調整法にも成功。「この階級で十分戦えることがよう分かった」21日にプロデビュー丸3年。これからは“勝って”なおかつ“倒す”ボクシングを目指す。
不屈の亀田イズムも証明した。次は来年の春、一家が「亀田場所」と、うたう両国国技館。「まだまだおれのボクシングはできていない。もっともっと磨いて最強になるよ」バッシングの嵐が吹けば吹くほど追い風に変えるのが亀田流。新たな伝説構築に挑む。
◆亀田 興毅(かめだ・こうき)1986年11月17日、大阪市西成区生まれ。20歳。11歳でボクシングを始める。2003年9月に全日本社会人選手権フライ級で優勝。アマチュア戦績は16勝(12KO・RSC)1敗。03年12月にグリーンツダ・ジムからプロデビュー。05年4月に破格の移籍金3000万円で協栄ジムに移籍。同年8月に東洋太平洋フライ級王座を獲得。06年8月2日に世界初挑戦でWBA世界ライトフライ級王座獲得。身長165・9センチの左ファイター。