ランダエタ、完敗認め未練なし…若い王者を祝福
ランダエタ、完敗認め未練なし…若い王者を祝福
12月21日8時1分配信 サンケイスポーツ
プロボクシングWBA世界Lフライ級タイトルマッチ(20日、有明コロシアム)論議を呼んだあの戴冠から、140日。宿敵フアン・ランダエタ(28)も潔く完敗を認める完勝に、興毅(20)が苦しかった4カ月間の思いを吐き出した。
憤りも、不満もない。前回とは違い、明確な差が付いた。「0-3」。リング上でアナウンスを聞いたランダエタは悔しさをにじませながら、納得の表情を浮かべた。
「亀田の完全な勝ちだ。彼の勝利を祝福したい」
前回の対戦でダウンを奪った1回に、亀田が戦法を変えてきたことに気付いた。「走り回るスタイルに変わっていた。闘い方を変えると思っていたけど、あれほど走るとは」。最後まで対応できず、終盤はロープを背負う場面の連続。想定外のヒットアンドアウエーに得意のカウンターを生かせず、ジャッジの1人には10点以上の大差をつけられた。
不利な面もあった。亀田が練習中に負傷したことにより、当初予定されていた10月18日の試合が急きょ延期された。暖かいベネズエラから着いたのは寒い日本に戸惑った。出発前には「子供たちから『亀田の顔をめちゃくちゃにしてきて』といわれた」。だが、亀田からダウンを奪うどころか、顔にキズさえつけられず、因縁の再戦は終わった。「再戦? もちろん機会があればやりたい。自分に勝ったんだから、亀田にはこれからも勝ち続けてほしい」。2度の判定負けを味わい、未練はない。28歳のベテランは、若い王者を素直にたたえた。