いくで、10回戦! 「亀田3兄弟」の二男・大毅(17)=協栄=が27日、都内の協栄ジムでスパーリングを公開した。世界王者の兄・興毅(20)の初防衛戦のアンダーカードに出場(相手未定)、2度目の“兄弟競演”となる大毅はジャブやフットワークを駆使し、進化をアピール。自身プロ7戦目は初の10回戦となる予定で、KO勝利で兄へバトンタッチ。「亀田祭り」を盛り上げる。
違う。かわった。力自慢だった「浪速の弁慶」が、動く、避ける。大毅が新たなスタイルに挑戦だ。
フィリピン・フライ級の現役王者ジョジョ・バルドン(27)を相手にした4回の公開スパー。「ジャブからや!」、「フェイント!」、「スエーや!」。コーナーから次々に指示を飛ばす父・史郎トレーナー(41)の内容もこれまで聞かれなかったものばかり。しつこい左ジャブに、細かいステップ。ジグザグのステップで懐へ飛び込むと、押し込んで得意の強烈左フック。1回からパートナーの腰が落ちた。
大毅も手応え十分の様子で、「米国から新しいトレーナー『カメハメハ』が来たんや。親父の進化形や」。亀田家流のジョークで笑顔を浮かべた。史郎さんと話し合って、スタイル改造に着手していたのだ。バルドンはフライ級の選手で、2度の世界挑戦経験を持つ元東洋太平洋、日本同級王者・トラッシュ中沼(国際)と6月に対戦。Sフライ級の大毅より1階級下とはいえ、「攻めが多彩でナカヌマより強い」と脱帽した。
5月以来となる兄・興毅と2度目の“兄弟競演”。前回は弟が1回KO勝ち。続く兄も2回TKO勝ち。ともに赤コーナーから登場し、控室も同じ部屋を使用した。先陣を切った弟の速攻決着に、兄も奮い立った。今回も同じ有明コロシアムが舞台。しかも、世界王者となった兄は、採点内容が論議を呼んだ因縁の相手と再戦、初防衛戦となる。大毅には前回以上に勢いをつける大役があり、「うまいボクシングなんて考えていない。2人そろってKOや」。
協栄ジム・金平桂一郎会長(41)は今週中にも対戦相手を決める予定で、プロ7戦目の今回は初の10回戦とする意向。ペース配分、流れをつくる能力も試される。だが、フルラウンド闘うつもりはない。KO勝ちした直後のリング上で披露する恒例の熱唱パフォーマンスでは、間もなくやってくる「クリスマスソングを贈るよ」。来年は兄に続いて世界の舞台をうかがう弟が、気分よく新年を迎える。
〔写真:初の10回戦に臨む大毅(左)。“兄弟競演”だが、オレが目立つぞ!〕
(サンケイスポーツ) - 11月28日8時3分更新