プロボクシングスーパーフライ級8回戦(27日・後楽園ホール)、“浪速の弁慶”亀田大毅(17)=協栄=が日本を飛び越え、WBCとWBAの世界ランクを一気に手に入れる。26日、東京・後楽園ホールで計量が行われ、大毅が1ラウンドKOを予告した。WBC世界スーパーフライ級21位のサンチェスを倒せば、WBCのランクインは確実。試合当日はWBAのヒルベルト・メンドサ会長が観戦を予定しており、WBAのランクインの可能性も濃厚。日本ランクに入っていない大毅が、世界のVIPに己の存在を認めさせる。
決戦を控え、大毅は気持ちの高ぶりをストレートに表現した。「今は誰とやっても負ける気がせえへん。正直な話、タンカが必要やで。俺のパンチはヤバイからな。宇宙一のパンチやから」。ほおを赤く染め、ゴングを待ち切れない様子で一気にまくしたてた。
27日のリングは、格好のアピールの場となる。WBA総会のイベントの一環として行われ、リングサイドにWBAのメンドサ会長が訪れる。相手はWBCのランカーだが、同会長の前で撃破すれば、WBAのランクインは必至。WBC、WBAの両団体の同時ランクインも夢ではない。
この日、計量会場に姿を見せた父・史郎氏(41)は、今試合の意義を説明した。「今、大毅は自信過剰なぐらい自信を持ってる。相手は世界ランカーで時期的には早いかもしれんけど、成長してる今だからこそ対戦させる意味がある。こっちとしても冒険やで」と言葉に力を込めた。
計量では契約リミットいっぱいの52・5キロで一発パス。計量後恒例のメンチ切りはこの日はやや抑えめで、握手を求めてきたサンチェスに右手を差し出し健闘を誓った。「印象?世界ランカーやから今までで一番強いやろうけど、まあ見とってや」と初対面にも余裕たっぷりだった。
日本ランキングにもランクされていないプロ6戦目が世界ランカーに挑む大一番。「人間誰でも覚醒(かくせい)するねん。でも俺は地上最高の覚醒や。これ、ほんまでっせ」。もはや超人の域に達した“浪速の弁慶”に怖いものはない。
(デイリースポーツ) - 9月27日10時47分更新