亀田3月王座返上、12月フライ級王座挑戦
12月22日10時5分配信 日刊スポーツ
因縁対決を制したWBA世界ライトフライ級王者亀田興毅(20=協栄)が、来春にも王座を返上することが21日、分かった。トレーナーの父史郎氏(41)が、来年3月の2度目の防衛戦後にもフライ級に復帰し、同12月に開催予定の「亀田のけんか祭り」で世界同級王者に挑戦するプランを明かした。初防衛に成功したファン・ランダエタ戦から一夜明けたこの日、会見した亀田も、ライトフライ級に続くフライ級での世界王座獲得に意欲を見せた。
新たな目標を見据えた。ランダエタとの因縁の再戦こそ制したが、ここで満足するつもりはない。快勝ではあったが、2戦連続の判定勝負はプロ入り初めて。消化不良は本人も感じている。一夜明け会見で亀田は来年3月の2度目の防衛戦(東京・両国国技館予定)でのKO勝利を宣言した。「次は行くよ。07年のスタートだし豪快に仕留める。バチバチいくで」と気勢を上げた。
KO防衛にこだわる理由がある。「あくまで本人との相談の上だが、このままライトフライ級で戦うと、その階級のパワーになってしまう」。父史郎氏は、次戦がライトフライ級世界王者として最後の試合になる可能性をほのめかした。
アマ時代から亀田はフライ級(50・8キロ)を主戦場にしてきた。現在のライトフライ級(48・9キロ)は小学6年時の体重でもある。わずか1・9キロ差ではあるが、普段から絞り込んだ軽量級のボクサーにとって、この差は大きい。そのため8月のランダエタとの初戦では、減量の調整に失敗し微妙な判定の原因にもなった。再戦当日の状態こそ万全だったが、このままでは過酷な減量苦が付きまとうことに変わりはない。
元の階級に戻り減量苦という敵が消えれば、リングの相手だけに集中すればいい。「階級は上げていくよ。ベストはフライ級やからな」と父に同調する亀田。「防衛回数には興味がない。オレの目標は3階級制覇や」とも続けた。そのためにも、次戦はスカッとKO勝ちでライトフライ級を「卒業」し、次のステップに進みたいところだ。
来年3月の次戦後に、王座を返上し、フライ級に復帰すれば、1、2戦のノンタイトル戦を経て、年末に開催予定の「亀田のけんか祭り」で同級の世界王者に挑戦する。「これから家にベルトが増えるよ」。来年の今ごろ、亀田が2階級制覇を実現しているかも知れない。【田口潤】
●亀田と一問一答
--今の気分は
亀田「気分ええな。前回の試合は納得いかなかったから、今回はええよ」。
--KO勝利ではなく、勝利だけにこだわったか
亀田「勝つことだけに集中した。前回が前回だったから。口では説明できないプレッシャーだった」。
--今後も足を使ったボクシングを続けるのか
亀田「これまでの亀田スタイルと、足を使ったものとミックスさせていく。世界は広い。どんな相手にでも対応できるように、今後も引き出しを増やしていく」。
--WBC世界王座との統一戦に興味はあるか
亀田「(WBAに続き)WBCも欲しいな。2本持っていたら格好いいで。階級を上げても統一はできるし、ベルトを増やしたい」。
--ランダエタについて
亀田「いい選手やったよ。さすが世界ランク1位の選手やった」。
--今日でちょうどデビューから3年だが
亀田「3年でよくここまできたな。実績もなく、エリートでもないオレがな。正直すごいと思う」。