亀モヒカンパンチ!黒人パワーで初防衛や
12月20日9時45分配信 日刊スポーツ
決意のモヒカンパンチ-。WBA世界ライトフライ級王者亀田興毅(20=協栄)と同級1位ファン・ランダエタ(28=ベネズエラ)との再戦は20日午後7時55分、東京・有明コロシアムでゴングが鳴る。19日、都内で行われた前日計量で、亀田は新ヘアスタイルを披露した。8月の初戦は微妙な判定に持ち込まれ、バッシング騒動も起きた。アリ、レナード、タイソン…。大好きな黒人ボクサーにあやかって完全決着への意気込みを見せた。計量は亀田が48・8キロ、ランダエタは48・9キロのリミットでパスした。
ボクシング人生を懸ける-。亀田の激しく燃える思いが髪形に表れていた。10センチ以上刈り込んだ両サイド。パンチパーマをかけた中央部がもっこりと盛り上がる。黒人の間で流行している「モヒカンパンチ」。亀田は「衝撃的やろ。渋いやろ。黒人モデルや。試合でも黒人のボクシングや」とニヤリと笑った。
前回の世界戦後から4カ月かけて仕上げた。トレーナーの父史郎氏(41)によると、知り合いの「カリスマ美容師」の発案。会見など公の場では帽子などで徹底して隠してきた亀田の「秘密兵器」だ。
あこがれの黒人ボクサーにあやかっている。無敵を誇った世界王者の心技体。数々のバッシングを乗り越えたアリの心、5階級制覇レナードの技、パワーあふれるタイソンの体を目指す。8月のランダエタとの初戦は微妙な判定に持ち込まれ、激しいバッシングに見舞われた。「モヒカンパンチ」は完全決着への決意の証明だった。
「オレの体も黒人レベルや。力でねじ伏せるよ」。髪形だけでなく、肉体も万全に仕上がった。この日の計量はリミットから100グラム軽い48・8キロでパス。1週間で一気に落とす新減量法は成功だった。もともとはパワーを生かすため、従来のフライ級(50・8キロ)から1階級下げた。だが、前回は1カ月をかけ減量する作戦が失敗。持ち前のパワー、スピードともに欠いた。だが、今回は違う。足を使ったスタイルも磨いており、タイソン流のパワーとレナード流の技術を見せられる状態に仕上がった。
初戦の判定問題でアンチ亀田が急増した。一部からは行き過ぎた人格批判も浴びた。「勝っても文句言うやつは言うやろ。引退するまで言うやろ。でもそれでこそ真のスターや。アリも言われ続けた。何を言われてもええ、好きなこと言ったらええよ」。派手な言動で批判を浴びながら伝説をつくったアリの心で、マイナスをプラスに変えていく。
ボクシング界の救世主として持ち上げられ、世界の頂点へ。だが、目標の10代世界チャンプを実現した途端、激しいバッシングを浴びた。ジェットコースターのように人生の辛苦を味わった1年。最後は亀田らしい豪快なボクシングを見せる。「来年も亀田の年になるように、きっちり締める。入場から派手に盛り上げるよ」。20歳の亀田が、人生の大一番を迎える。【田口潤】