<ボクシング>ランダエタが亀田評価「これがあるべき姿」
<ボクシング>ランダエタが亀田評価「これがあるべき姿」
12月18日18時54分配信 毎日新聞
世界ボクシング協会(WBA)ライトフライ級王者、亀田興毅(20)=協栄=と同級1位、フアン・ランダエタ(28)が戦うタイトルマッチ(20日、東京・有明コロシアム)の調印式と記者会見が18日、東京都内のホテルで行われた。
初防衛戦の亀田は「KOにこだわりはない。12ラウンド36分間、強いパンチを打ち込むだけ。(相手は)歯を食いしばって立っといてくれ」と結果にこだわる姿勢。ランダエタに2―1の判定で辛勝した8月の試合について、「(相手を)なめすぎていた。もっと緊張感を持ってやればよかった」と反省しつつ、「横綱は2回失敗しない。きっちり決着つけるよ」と誓った。
一方のランダエタは「精神的にも肉体的にも万全。KOにしろ判定にしろ、私がチャンピオンになる」と強調。挑発行為を控え気味の亀田に対して「前回に比べて非常に静かで落ち着いている。これがあるべきボクサーの姿」と評価した。会見後、2人並んでの写真撮影を亀田は拒否し、足早に立ち去った。【来住哲司】
◇公正な採点で信頼回復を
8月の王座決定戦の再戦となる亀田―ランダエタ。サウスポー同士の一戦は、亀田が返り討ちして初防衛を果たすか、WBA元ミニマム級王者のランダエタが雪辱して2階級制覇を果たすか、注目だ。
前回、亀田は一回に右フックを食ってダウンし、十一回以降は一方的に打ち込まれた。その反省を踏まえ、ガードを固めて前へ出るだけの「亀田スタイル」を捨て、フットワークを使いながら右ジャブを多用し、出入りのボクシングに取り組んできた。
その選択は正しい。デビュー当初は基本に忠実なスタイルだった。スピードある右ジャブを持っており、前回も中盤には何発か好打していた。今回のモデルチェンジは決して付け焼刃ではなく、陣営も自信を示す。
その意味では、今回は亀田が有利。亀田は右ジャブとダッキングを使いながらプレッシャーをかけ、中間距離での打ち合いに持ち込みたい。挑戦者の左ストレートや左右アッパーは要注意だが、スピード、パンチ力は亀田が上。相手の右ジャブを体を振ってかいくぐれるかがカギだ。
ただ前回の対戦で明らかになったように、亀田は打たれ弱い。それだけに、技巧に勝るランダエタがカウンターを当ててペースをつかめば、王者交代の可能性は高まる。
前回は判定が物議を醸した。決して一方的な内容ではなく、接戦ではあったが、亀田にとって分の悪い内容だったことも確かで、韓国人審判の採点は不可解なものだった。ボクシング界の信頼回復のためにも、一点の曇りもない公正な採点が求められる。【来住哲司】