興毅、予備検診をパス!胸囲伸縮自在で“亀かくし”
12月17日8時2分配信 サンケイスポーツ
プロボクシング・WBA世界Lフライ級タイトルマッチ(12月20日、有明コロシアム)世界戦へ向けた予備検診が16日、都内の病院で行われ、王者・亀田興毅(20)=協栄=の胸囲は前回の95センチから3.5センチ縮み91.5センチになった。が、これは驚異のカムフラージュ作戦。時間差検診で顔を合わせることのなかった挑戦者フアン・ランダエタ(28)=ベネズエラ=には、ビルドアップした肉体をひた隠し。“亀かくし”戦法で怨敵を倒す。
胸囲の、いや驚異の目くらましだ。8月の前回対戦時と同様に両者は30分の時間差をおいて予備検診を行い、ともに異常なしと診断された。通常の世界戦では、対戦相手との初顔合わせの場となるが、興毅は怨敵との対面を今回も避けた。
「調子はええよ。減量も、ええよ」
ニヤリと笑った。パンチ力の指針となる胸囲で、前回検診時はミドル級の世界王者すら上回る95センチを記録した。今回は…周囲が息をのんで見つめる中、出た数字は91.5センチ。3.5センチ減だ。「前の病院と変わったから、測り方が違ったんや」と興毅。だが関係者によると、朝に測ったときは98センチもあったという。あえて胸をすぼめて測定したのか-。
細くなった数字のみが敵の陣営に伝えられる裏側で、実は進化している肉体。試合までそれを隠し通し、本番のリングでグローブを交えた瞬間にあっと驚かせる。8日の公開練習ではスパーリングを行わなかった。従来の闘犬スタイルから、足を使う『グリズリー+チーター』スタイルに変身を遂げていたことを隠し通した。技術に加え、肉体でも“亀かくし”戦法を継続したわけだ。
「首は太くなったと思うよ」
頸囲は前回と変わらない37センチ。だが、5キロのダンベル2つを下げたタオルを口にくわえて持ち上げるなど、首の強化は徹底的に行った。「パンチもらってのけ反ると、見た目が悪いから」。数字には現れないが、肉体は4カ月前より確実にバージョンアップしている。
心技体のうち、技と体の進化はベールに包んだが、はやる心は隠さない。試合会場に乗り込むために3000万円かけた高級車「ハマーH2」に初めて乗って検診会場入りした。ランダエタは「試合に勝つのは私だということを、亀田も分かっているだろう」などとさんざん挑発したが、それを伝え聞くと「勝手に言うとったらええ」と受け流し、鋭い視線を送った。鍛えられた肉体から繰り出される拳が、20日のリングで怨敵に炸裂する。
〔写真:予備検診を受ける亀田だが、バージョンアップした肉体は誇示せず〕