12月14日10時22分配信 デイリースポーツ
“浪速の闘拳”がいよいよ「地獄の減量」に突入した。王者・亀田興毅(20)=協栄=が13日、本社後援「WBA世界Lフライ級王座戦12回戦」 (12月20日、有明コロシアム)に向け、本格的な減量に着手した。12日に延べ202ラウンドのスパーリングを打ち上げ、この日から最終調整に入った。試合を1週間後に控え、リミット(48・9キロ)まで約4キロ。今回は、新たな減量法を取り入れ、試合直前に一気に体重を落とす。残り6日間、「減量」という名の目に見えない敵と闘う。
決戦を1週間後に控え、新たな減量法が試される時が来た。これまでの「長期型」から「短期集中型」へ変更した。ライトフライ級のリミットまで残す体重は約4キロ。今回が初体験の減量法になるが、失敗は絶対に許されない。初防衛戦の重圧と闘いながら、興毅が地獄の中で身を削る。
初めてライトフライ級リミットでリングに上がった8月2日は、減量の影響で足元がおぼつかなかった。この時は2週間以上をかけて体重を落としていった。初めての体験で神経質になってしまった。減量に長時間をかけた分、体力が低下した。加えて精神的な消耗も激しかった。
「短期集中型」に変更してのメリットは、精神的ダメージが少ないこと。だが体にはより負担がかかる。特に興毅の場合、体脂肪率が5%を切っており、1週間で約4キロの減量はまさに地獄だ。亀田家は絶食はせず、食べて落とす。残り6日間、わずかな水と食料だけで絞り込む。
本格的な減量に入った興毅は、慎重に言葉を選びながら言った。「今回は初めての減量法やから試合当日までどうなるか分からへん。体重を落とすのは問題あらへんけど、問題は当日の体調や。今の時点で体調は最高やから、このままうまく調整していくだけや」と語気を強めた。
すでに12日にスパーリングを打ち上げた。スパーリングはこれまでで最多の202ラウンドを消化。体力面では全く不安はない。「最後のスパーリングで何かをつかんだ。言葉で言うのは難しいけど、これやいうもんをつかんだ。1ラウンドKOもあるで」と確かな自信をつかんだ様子だった。