日本漫画界の巨匠・手塚治虫が原作を発表から40年経って映画化された『どろろ』のジャパンプレミアが11月27日(月)行われた。このジャパンプレミアにW主演の妻夫木聡と柴咲コウ、瑛太、土屋アンナ、アクション監督のチン・シウトン、監督の塩田明彦が出席した。
親の野望をかなえるために、身体を四十八体の妖怪に奪われた百鬼丸(妻夫木)は、自らの身体を取り戻すために戦っていた。そんなあるとき、男装の夜盗・どろろ(柴咲)と出会い、一緒に旅をすることになる。自らの未来をつかむために戦い、壮絶な運命を背負いながらも生き抜こうとする壮大なストーリーのロケ地として選ばれたのは、『ロード・オブ・ザ・リング』の撮影場所となり一躍ハリウッドからも注目を集めるニュージーランド。『HERO』『LOVERS』など世界屈指のアクション監督であるチンに仕込まれながら、妻夫木、柴咲は、日本から離れた海外で時間をかけてワイヤーアクションなどにチャレンジ。「いきなり25mくらい上げられちゃって。でもそれが練習だったんですよ」と妻夫木はチン監督のやり方にビックリ。「海外での長期ロケは初めてで最初は不安だったけど、逆にずっと行きっぱなしなので、撮影に集中できた」と柴咲が語るように、今までの日本映画にはないスケールのアクションやスピード感を作り上げるため、2人は準備を重ね、息のぴったりあった演技、斬新なアングルから撮られたアクションでの表情を魅せる。
妻夫木と柴咲は、以前から交際の噂や結婚が秒読みというニュースが取り出たされたりするするが、特にその噂を気にすることなく、舞台上でも顔を見合わせて笑いあったり、「何だよー」といった感じの軽い文句顔をしたり、終始仲良しムードを見せ付ける。「『オレンジデイズ』(TVドラマ)でコウちゃんとは一緒だったから演技しやすかった。コウちゃんは集中力があって、脚本のイメージ以上の役どころになっている」と素直に答える妻夫木に柴咲もニコニコ顔。
もう一人の『オレンジデイズ』共演者である瑛太は、妻夫木とは作品の中で立ち回りを演じるが、「殺陣は半年前から妻夫木君と練習を始めたんだけど、妻夫木君とは複雑で…」と意味深な発言。それに対して妻夫木が「役どころが複雑なんだろ! プライベートで仲が悪いみたいじゃんか!」とすかさず抗議するなど、こちらも現在進行形で仲良しが続いているようだ。
最後に柴咲からは「自ら命を絶つ人が増えているというニュースをよく見ます。生きているから“死”に向かってしまうのかもしれない。でも自分が生きることに向き合うことが、この映画のテーマだと思う」と挨拶。妻夫木も「自分達は何も考えなしに生活しながら生きている。でも生きるということは、自分にも周りの人にも何かできるんじゃないかということを、感じて欲しい」と、必死で生きること、共に生きようとする人がいることを改めて教えてくれる本作のメッセージを伝えた。
妻夫木と柴咲というビックカップルの行方とともに、世界から熱い視線が送られる手塚治虫の斬新な世界観が観客にどのように受け止められるか、期待が高まる。
『どろろ』
2007年1月27日(土)ロードショー
(@ぴあ) - 11月28日12時31分更新