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谷が給料半分で巨人入り、家族で東京
夫婦愛とジャイアンツ愛で優勝目指す。オリックス谷佳知外野手(33)と巨人鴨志田貴司投手(22)長田昌浩内野手(22)との交換トレードが成立し、7日、両球団から発表された。谷は、女子柔道五輪金メダリストの亮子夫人(31)からの応援も受け、新たな野球人生をスタートする。今季の年俸2億8000万円から1億3000万円ダウン提示を承諾しての移籍で、原辰徳監督(48)のもと新天地での定位置どりを誓った。(金額は推定)
 谷の心はすでに、巨人の一員だった。「巨人は勝ち続けなければいけない宿命のチーム。強い意識を持って貢献したい」。前日6日に小泉隆司球団社長から、トレードを通告された。オリックスひと筋10年の看板選手。しかし谷は「この世界はそういう世界。素直に受け止めました」と新たな挑戦へ腹を決めた。
 「原さんが大好きで、野球をやっていた。尊敬できる監督と一緒にプレーできることは非常に光栄です」。今季年俸2億8000万円から、半額に近い1億3000万円ダウンという厳しい条件さえ受け入れた。トレード移籍では、ほぼ現状維持が通例とされる。過去最大のダウンだが、尊敬する原監督の下で復活する思いが強かった。
 01年から4年連続3割をマークし、04年のアテネ五輪も日本代表として出場した。しかし、昨季は自己ワーストの打率2割4分8厘。今季も中学時代に手術を受けた右ひじの痛みがシーズン中に再発し、球宴前に2軍落ちも経験するなど出場118試合で2割6分7厘、30打点、6本塁打に終わった。不動のレギュラーとしての地位も失った。
 03年に打率3割5分を記録した力を取り戻すためにも、環境を変える必要もあった。女子柔道で五輪2大会連続金メダルの亮子夫人も「早くジャイアンツ愛の空気に慣れて、優勝に貢献してください」と後押ししてくれたという。
 谷は「痛みさえなくなれば」と、右ひじの強化トレーニングに全力を注いでいる。巨人は前日6日に、生え抜きの仁志敏久内野手の横浜へのトレードを発表した。低迷脱出へ、血の入れ替えも辞さない構えで改革を進めている。その中で谷の定位置はもちろん保障されない。「レギュラーをとりたい」と真剣な目で誓った。
 神戸の町を愛していた。「できれば一生住みたいという思いは、ありました。オリックスでファンが応援してくださることで、自分は成長できた。一緒にやった仲間にも感謝しているし、いい話も聞かせてもらった。この経験を新しい球団にも、いい状況で持って行ければいい」。交換要員の鴨志田は年俸890万円、長田は同720万円。22歳の若手とはいえ2人合わせて1610万円の評価だったのも事実である。経験と復活への熱い思い胸に、谷は「ジャイアンツ愛」に染まる覚悟を決めた。【堀まどか】
(日刊スポーツ) - 11月8日9時46分更新