雑誌「Weeklyぴあ」調査による、11月3日(金)、4日(土)公開の映画満足度ランキングでは、大人気コミックの映画化で2部完結の続編『DEATH NOTE デスノート the Last name』が1位となった。2位には、東野圭吾のロングセラー小説の映画化『手紙』が入った。
「DEATH NOTE」は、死神が落とした“死のノート”によって凶悪犯を裁く八神月(ヤガミ ライト)=キラ(藤原竜也)と、キラを逮捕しようとする名探偵L(松山ケンイチ)との知力の攻防を描いた作品。“死のノート”を使いこなす上での数あるルールに関しては、原作に忠実だが、その利用方法は映画オリジナルの部分もあり、このルールの使用方法が物語のキーとなってくる。原作よりキャストを絞り、エピソードを濃縮させたことで、より見応えあるストーリー展開となった。原作はすでに完結しており、ラストを知っている人も多い。そんな中、映画ではあえてオリジナルのラストを用意したことは、かなりのチャレンジだったと思えるが、このラストの描き方と主演2人の対決方法はある意味漫画を超えるほどの秀逸の出来となっており、映画タイトルに込められた「the Last name」とは、誰のことなのか最後までハラハラさせられる。観客からも「予想外のラストにはビックリ!」「意外な結末にハラハラドキドキした。」と、結末に関してのコメントが多く寄せられた。興行成績も1位を獲得し、本年度公開された邦画作品の中で最高のオープニング記録を樹立した。
逆に原作にほぼ忠実に映画化された『手紙』は、弟(山田孝之)のために強盗殺人を犯してしまった兄(玉山鉄二)と、犯罪加害者を家族に持つことで人生を狂わされてしまった弟を描いた社会派ドラマ。原作では主人公の直貴(山田)は、ロックバンドでミュージシャンになることを夢見るが、映画では意外にもお笑い芸人を目指す。繊細でナイーブな山田が芸人を演じるのが非常に興味深いがこれが意外に合っている。後半に“泣く”ポイントが詰め込まれ、「兄弟で一緒に見れば、絆が深まりそう」「犯罪を犯した者と社会との繋がり、家族、といったものをしっかりと描いていた」とひとりひとり考えさせられる硬派な作品に仕上がっている。
『スクール・オブ・ロック』のジャック・ブラック主演のハートフルコメディ『ナチョ・リブレ/覆面の神様』は6位と検討したが、大沢たかお、中谷美紀主演の日本発のラブ・コメディ『 7月24日通りのクリスマス』は予想外のランキング圏外となった。
(本ランキングは、2006年11月3日(金)、4日(土)公開の新作映画17本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査)
(@ぴあ) - 11月9日11時6分更新