興毅変身!モヒカンパンチや
12月20日6時3分配信 スポーツニッポン
モヒカンパンチで出陣や!ボクシングWBA世界ライトフライ級タイトルマッチ(20日、有明コロシアム)の前日計量が19日、都内で行われ、王者・亀田興毅(20=協栄)が48・8キロ、ファン・ランダエタ(28=ベネズエラ)はリミットちょうどの48・9キロで一発パスした。興毅はパンチパーマをあてたモヒカン刈りの髪形で登場し、従来の丸刈りを捨てて「黒人になる」と宣言。再戦に懸ける意気込みを、大好きな元統一世界ヘビー級王者のマイク・タイソンと5階級制覇のシュガー・レイ・レナード(いずれも米国)をイメージした髪形に託した。
約50人の報道陣があ然とした。パンチパーマをあてた頭髪を頭頂部だけ残したモヒカン姿で、興毅が計量会場に現れた。「黒人や、アメリカ人仕様や。オレの体も黒人レベルやし。あいつの顔面を粉砕してやるよ」。今回は試合前のパフォーマンスが抑えめだったが、一気に吹き飛んだ。
この日朝にやったというモヒカンパンチ。振り返れば、10月に試合延期会見を行って以来、常に帽子やタオルをかぶり、髪を伸ばしていることすら隠してきた。興毅ならではのサプライズだったが、ワイドショーのリポーターから「ウド鈴木にも似てますね」とつっこみを入れられると、表情が一変した。「次言ったら、キレるで」。凄みを増した容ぼうが、迫力を倍増させた。
イメージが一新した興毅だが、髪形には試合の意気込みも込められている。「試合も黒人系や。パワーのみでランダエタをねじ伏せるよ」。黒人系の意味は黒人ボクサー、特に尊敬するタイソンとレナードのことだ。ピーカブー(のぞき見)の構えはタイソンと同じ。今回から練習を始めた足を使ったボクサーファイターのスタイルはレナードの代名詞。破壊力はタイソン、軽快なフットワークはレナードをイメージしている。
今回は減量もうまくいった。長期間かけてじっくりと体重を落とした前回は失敗した。今回は短期間で集中的に落とす方法に変えた。「(12回)36分間、立っとってもらって何百、何千発とパンチを打ち込んだるわ」。KO宣言せず、あえて判定勝利を予告したところに、逆に調整と試合への自信がにじんだ。
計量自体もスムーズに進んだ。前回の計量は、おむつなどを用意したランダエタの挑発で乱闘寸前の騒ぎになった。今回は会場に柵が設置され、ランダエタと興毅の間には2人の関係者が立ちはだかった。国内ではタイソン来日時以来という厳戒態勢の中、乱闘騒ぎもなく、両者とも一発で計量をパスした。
「向こうががちゃがちゃ言うようなら、行ってやろうと思ったけど、元気がなかったからな」。髪形とともに、興毅のビッグマウスにもエンジンがかかってきた。「20代になって初の試合。何もかもが新しくなってみんな驚くよ」。変わったのが髪形だけではないことを、20日、リング上で証明する。